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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

 
プロフィール (たかはし わたる) 京都府出身。高等学校卒業後、将来を模索するべく渡米。在米生活の中で、サンフランシスコのアーティスティックな街並みに感銘を受け、建築学を学ぶ。約6年間の留学生活で建築家・起業家としての素養を培い、日本に帰国。2007年に兄の創氏が起業した(株)センシンに入社。後に代表取締役に就任した。少年の頃からのサッカー好きで、仕事に忙殺されながらも、プレーする機会を探っている。【ホームページ
 
 
 
「一意専心」 という美しい言葉があるが、最近は耳にすることが少なくなった。グローバル化やITの浸透でビジネスや生活が多様化し、一つのことに集中するのが美徳とされなくなっているからだろうか。そのような中で高橋航氏が代表取締役を務める株式会社センシン。アメリカでグローバリズムにも触れた高橋社長は、なぜ 「一意専心」 にこだわるのか。その言葉からは、仕事に賭ける真剣さが一途に伝わってくる。
 
 
 

楽しいアメリカ留学のはずが・・・

 
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インタビュアー 長澤奈央(女優)
長澤 高橋社長はアメリカで生活していた経験があるそうですね。
 
高橋 はい。21歳で渡米してから6年ほど。それ以前にも、留学していた姉を頼って何度かアメリカを旅行したことがあったんですよ。それで21歳の時、先々の進路を考えるにあたり、「しばらく日本を離れて、アメリカで暮らしてみよう」 と思ったんです。
 
長澤 言葉も文化も異なる環境で暮らすのは大変だったんじゃないですか。
 
高橋 旅行で楽しむのと実際に暮らすのとでは、大違いですよね(笑)。なにしろ、英語が話せないと欲しい物が買えない。店頭にあるものをレジに渡すだけなら無言でも可能ですが、「こういう物を探している」「違う物が欲しい」 といった要望はうまく伝えられません。何とかなるだろうと高をくくっていたら、コテンパンにやられましたね(笑)。
 
長澤 コテンパンですか(笑)。そういう苦労を重ねて、英語をマスターしたんでしょうね。
 
高橋 はい。でも、流暢に話せているかどうかは別ですけどね。それでも、滞在していた6年間のうち、3年半ほど建築を専門に学べる学校に通い、一般の日英辞書には載っていない単語まで学びましたから、かなり勉強はしましたよ。留学って若者が遊んで暮らしているイメージを持つ人もいるかもしれませんが、私が通った学校の留学生はほぼ全員、学ぶべきことが多すぎて、遊ぶ余裕なんて全くありませんでしたからね。