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ビジネス 企業が取り組むべき新型インフルエンザ対策とは vol.2 そのとき、企業の対応は 企業が取り組むべき新型インフルエンザ対策とは ジャーナリスト

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 前回は、企業の新型インフルエンザ対策は事業継続計画(BCP=Business Continuity Plan) の中に位置づけるべきであると述べた。新型インフルエンザは、これまで誰も経験したことのない新しいリスクなので、地震・水害などの自然災害、火災・爆発などの事故災害、情報システム障害などと同様に、企業の事業継続を妨げるリスクとしてとらえるべきだということである。
 では、企業は今回の新型インフルエンザにどう対応したのだろうか。これからどう対応していけばいいのだろうか。
 
 

「想定外」が来たため、企業の対応にとまどい

 
 すでにBCPの中に新型インフルエンザ対策を策定していた企業(ほとんどが大企業)は、対策本部の設置、マスク配布、海外出張の禁止、海外帰りの社員の検診など、比較的早いタイミングで新型インフルエンザ対策を発動していたようだ。
 マスコミ報道などから代表的な企業の初動の取り組みを拾ってみると、東芝は国内感染者が確認されたのを受けて、全国の事業所の「受付での対応」を通達。来訪者に発熱や感染者との接触の有無を聞いたという。
 日立製作所や三菱重工は、阪神地域の社員に対し、通勤時にはマスクを着用するよう、38度以上の熱がある場合などに出社しないように通達した。パナソニックは、強毒性を前提としたガイドラインを策定ずみだったが、今回は弱毒性であることから事業継続を重視し、1人でも感染者が出た場合はすぐに事業所の一部封鎖を行う措置をとったという。
 神戸製鋼所は、警戒レベルに応じて自宅待機などの対応を盛り込んだマニュアルを策定していたが、弱毒性のため柔軟に対応することにした。トヨタ自動車やホンダも、どの段階で工場を停止するか、政府の方針に応じて柔軟に対応することにした。
 流通分野では、イオンやセブン&アイホールディングスがマスクの着用を義務づける一方、マニュアルは強毒性を想定して策定していたので、従来のマニュアルでは対策が厳しすぎるとして柔軟な運用を行った。サークルKサンクスやファミリーマートでは、せきやくしゃみによる感染拡大にそなえておでんなどの販売自粛に踏み切った。大丸やそごうなどの百貨店各社は、感染地域の店舗を対象に、食品売り場での試飲や試食を中止した。
 これらの企業では、事が起こったときにどうするかの対策を講じてはいたが、来たものが想定外のもの(弱毒性で豚インフルエンザ)だったので計画通りに行かず、修正を加えたり柔軟に対応せざるをえなかったようだ。
 
 

半数の企業が「危機感を抱いた」
 

 今回の新型インフルエンザの流行に対して、企業がどれくらいの危機感を抱き、どのように対応したか、帝国データバンクの調査で眺めてみよう(2009年9月に全国2万1569社に対して行い、有効回答企業数は50.5%の1万890社)。それによると、46.9%の企業が「危機度は高い」と回答。一方で、「低い」と回答した企業も44.0%あったという。
 危機度が高いと答えた企業を規模別に見ると、大企業が54.8%と半数を超えているが、中小企業は44.3%、とりわけ小規模企業は36.0%と3社に1社の割合でしかなかった。業界別では、サービス、運輸・倉庫、金融、小売りで5割を超え、企業規模や業界によって危機意識に大きな差があることが鮮明になったという。
 
 
 

古俣愼吾 企業が取り組むべき新型インフルエンザ対策とは

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