B+ 仕事を楽しむためのWebマガジン

トピックスTOPICS

コラム ほめ達!の「未来を拓く言葉たち」第10回 仕入れた言葉を料理して、レシピをつくろう ほめ達!の「未来を拓く言葉たち」 一般社団法人日本ほめる達人協会 理事長 西村貴好

コラム
こんにちは。日本ほめる達人協会理事長の西村貴好です。
 
皆さんは、人から信用を得たいと思っていますか? 
 
他者から得られる信用は、小さな積み重ねから生まれるものです。ですから、小さな約束ほど大事にしてください。その約束を果たし続けることが、大きな信用につながります。

ぜひ、このことを胸にとどめておいてください。
 
それでは今回も皆さんと一緒に、未来を切り拓いていく言葉を獲得するためのトレーニングをしていきます。今回は自分の琴線に触れる言葉を仕入れ、それを使うことの大切さについて考えたいと思います。私と一緒に考えながら、あなた自身の言葉を磨く助けにしてください。
 
 

人の中身は言葉でできている

 
glay-s1top.jpg
好評配信中のポッドキャスト「今日もほめ達!」の収録風景
言葉を使うにあたって大事なのは、心がこもっているかどうかです。心は、自分が今まで生きてきた中で受け取ってきた、言葉でできていると私は考えます。ですから、どんな言葉を受け取ってきたかで、世の中や他人に対する考え方が決まるのです。
 
言葉が服を着て歩いているような存在――それが人間です。私は、人の中身は言葉でできているという考えなので、どうせなら自分の体を、良い言葉で満たしていたいと思っています。生きている間に自分の中にある言葉もどんどん入れ替わりますから、良い言葉を仕入れていないと、人間の中身はすぐに濁ってしまいます。自分のものの考え方は言葉で決まる。ですから積極的に良い言葉を仕入れて、濁りを浄化してください。
 
人生は一生をかけた学びの旅と、よく言われます。私は、人生は一生をかけた、言葉集めの旅だと思っています。たくさんの言葉が溢れている世の中で、どの言葉を、どう受け取っていくのか――。受け取るものは自分で選べますから、自分にとって良い言葉を選んでください。そして、それをどう使い、どうやって世の中に蒔いていくかで、未来が変わってきます。
 
 

後だしジャンケンを繰り返す

 
言葉を集め、その集めた言葉を種として蒔く。
蒔いた種が芽吹くには時間がかかります。
 
この、種を蒔くというのは仕入れた言葉を使うこと。では、いつ、どうやってどの言葉を使うのか。時宜に応じた言葉を、タイミングを逃さず使うのは難しいものです。いざとなってみると、なかなか適切な言葉が出てこなくて、後から悔しい思いをすることは私にもしょっちゅうです。あの言葉を使うべきだった。あのエピソードを紹介すべきだった――というように。
 
それでいいんです。大切なのは、その悔しい思いと共に使うべきだったと思う言葉やエピソードを意識してストックすること。そして後日、似たようなシチュエーションで使えれば、それで成功です。この後出しジャンケンの繰り返しが、言葉を磨く過程では必要なことなんですね。
 
これは、語学を学習したことのある人なら理解しやすいと思います。あるシチュエーションで、適切な単語が思いつかず口ごもってしまった。そして、後から辞書を調べて「ああ、この単語だったか」と悔しい思いをする。この行為は語彙を増やす訓練になっていますよね。これを繰り返すことで経験と共に語彙が増え、いずれは使いたいときに使いたい単語がスラスラと出てくるようになる。
 
この連載の第4回で売れっ子の芸人さんを例にして紹介したように、おもしろいお話のネタが豊富な人は、常に新しいネタを使って他人の反応を観察しているんですね。そして、その反応によって使う言葉を取捨選択している。ですから先述したように、まずは仕入れた言葉を使うかどうかが大事なのです。
 
 

言葉を料理してレシピをつくろう

 
皆さんは、日常で様々な言葉に触れていますよね? 例えばその中に、自分の琴線に触れるいい言葉があったとしたら、それを積極的に使うようにしていますか? 
 
繰り返します。言葉は仕入れるだけではダメです。使うことが大事。仕入れた言葉を使いこなせるようになって初めて、その言葉は自分のものとなります。それをせずにほうっておくと、その言葉は腐ってしまいます。ですから腐る前に、仕入れた言葉を料理しましょう。誰かに喋る。SNSで発信する。手帳やブログに書く。そうやって自分の出合った言葉をどう料理したかレシピとして残すんです。レシピは腐らないですからね。それが先ほど紹介した、自分の言葉を磨き、表現力を上げることにつながります。
 
様々な言葉を駆使して人の心を動かせる人は、常にたくさんのレシピをつくっているんですね。そして、そのレシピを様々な場面で使っている。使っていけば改善点も見つかりますから、そこを補強することで内容はさらに強化されていく。これを繰り返すことで、他人の共感を呼び、人の輪が広がっていくのです。
 
ほめ達!の「未来を拓く言葉たち」
第10回 仕入れた言葉を料理して、レシピをつくろう
 
(2018.1.19)

 著者プロフィール  

西村 貴好 Nishimura Takayoshi

一般社団法人日本ほめる達人協会 理事長

 経 歴  

1968年生まれ。大阪府出身の「泣く子もほめる!」ほめる達人。ホテルを経営する家の三代目として生まれ、経営術を学びつつ育つ。関西大学法学部卒業後、大手不動産に入社して最年少トップセールスを樹立。その後、家業のホテルを継いで経験を積み、2005年に覆面調査会社「C’s」を創業する。短所ではなく長所を指摘することが調査対象の企業成長に効果があると発見し、「ほめる」ことの重要性に気付く。数々の実績を上げる中で、2010年2月に「ほめ達!」検定を実施する、一般社団法人日本ほめる達人協会を設立し、理事長に就任。以降、検定を通じて「ほめ達!」の伝播に尽力している。著書に『繁盛店の「ほめる」仕組み』(同文舘出版)、『ほめる生き方』(マガジンハウス)、『心をひらく「ほめグセ」の魔法』(経済界)、『泣く子もほめる!「ほめ達」の魔法』(経済界)、『人に好かれる話し方41』(三笠書房)などがある。

 日本ほめる達人協会オフィシャルサイト 

http://www.hometatsu.jp

 西村貴好オフィシャルブログ 

http://ameblo.jp/nishitaka217/

 フェイスブック 

https://www.facebook.com/hometatsu

 
 
 
 

関連記事

最新トピックス記事

カテゴリ

バックナンバー

コラムニスト一覧

最新記事

話題の記事