自分たちで自分たちの未来に投資
3年間有効のプレミアム付きプリント券

アーカイブ配信版の画面(写真はモノクロ撮影)
30%ってなかなかだと思うけど、なぜ私たちが“今”これをやったかと言えば、定額給付金を写真に回してもらうためだ。生活費に充てる人ももちろん多いけど、今日明日困っている人じゃなければ、こういうあぶく銭は大体無駄な出費に回る。無駄と言って悪ければ贅沢出費に回る。Go Toキャンペーンもあるから尚更だ。うちの嫁と娘も、普段一人3、4万円するホテルが1万円で泊れるってキャッキャ言いながら旅行サイトを見てたよ(笑)。
そうやって1万円、5000円、また1万円と使われるうちに、10万円はすぐなくなっちゃう。そうなる前に写真プリントにも落としてもらいたかったから“今”発行したわけだ。つまり、うちからしたら、自分たちで自分たちの未来に投資したようなものだ。結果は大成功。おかげさまで、たった1ヶ月で2000万円超を売り上げた。市や県が飲食店支援で配っているクーポン券は期限が12月とかだから未来投資にも何にもなってないのに比べて、はるかにいい投資ができたと思う。
2023年、一気にツケが来る
その前に新しいビジネスモデルをつくれ!
ということは、今から3年先、2023年はえらいことになると思う。それまでに新しいビジネスモデルを生み出せなかった企業がバッタバッタと倒産していくだろう。つまり供給が減る。いっぽうでお金はもう市中に出ている。供給が減ったのにお金が多いと――そう、インフレになる。極端にいえば15~20%のハイパーインフレにさえなるかもしれない。
しかも国民はお金がない。報道によれば政府の税制調査会が早くも今月初旬、「コロナ対応で財政が悪化したから消費税を上げなきゃいけない」っていう方針を出したそうじゃないか。ただでさえ倒産で労働者の所得が減るのに増税までされたら実質所得はガクンと減る。消費が鈍る。企業はますます売れなくなる。そういう一連のツケが2023年に一気に来る。私はそう読む。
じゃあどうするか。私が個別支援先で言うのは、「借りやすいうちに借りろ。融資を受けろ!」ということだ。3年経って返済が始まったらどうするか? そんなの知らん! 借りずに今潰れるか、借りて3年間何もしないで3年後に潰れるか、借りて3年間のうちに新しいビジネスモデルをつくって成長するか――。選択肢は三つしかないんだよ中小企業は! キツイけど!
何一つ変えられない商工会議所
そんな後出しジャンケンでいいのか?
先日、某商工会議所の「創業塾」セミナーの案内を支援先で目にした。これだけコロナ禍の影響が出ているんだからセミナーも工夫してるだろう、オンライン配信とかWeb会議システムとかを組み合わせてるだろう――そう思ったら、何もやってない。ソーシャルディスタンスで席を空けて定員を50人から20人に減らしただけ。内容もフォーマットも以前のままだった。
ちょっと待って。これ「創業塾」じゃないの? 起業したい人たちに事業の始め方を教えるセミナーじゃないの? だったら50人どころか100人でも200人でもオンラインで参加を募って、話を聞いてもらえばいいじゃないか。「起業促進! チャレンジ応援!」っていう国の号令が出てるんだから、今の状況に合ったやり方で、どんどん勉強してもらえばいいじゃないか。なんで何も変えないで縮小版なの!?
ツールの使い方がわからないのかっていったらそうじゃない。現場レベルはみんなわかってる。でも、事務局長だか専務理事だか、上にいる上長たちがわかってない。この状況にも時代にも付いてこれていない。「ネットを使ったら個人情報が漏れる」とか「参加者を正確に把握できるのか」とか、「地域外の人をどうやって弾くんだ」とか、ようするに発想が、ハコの中で止まってる。
現場の若い人たちは頑張っていると思う。こんなときだからこそ、こんなことができる、こう変えられる、っていう企画書は何枚も上司の机の上に積み上がってるんじゃないか。
でも、肝心のハンコが押されない。押してもらえない。なぜか。先例がないから。他の商工会議所がやってないから。成功事例がまだ報告されていないからだ。
要は考え方が役人なんだね。責任がとれないから動かないんだ。会頭が「責任は俺がとる! やろう!」って一言言えば各部署が動き出せるのに、トップといっても売り上げが問われないから危機感がないんだよ。それで結局、「ソーシャルディスタンスを確保した人数で例年通り催行」の企画だけが通る。そんな後出しジャンケンしかできないところが「創業塾」を謳っているんだから笑えるよね。
保守派で行くなら固定費3割減
でも、やっぱり3割は革新で行こう!
でも、革新的なこともやっぱり3割は載せたくないかい? だって商業は本来変化対応業だ。変化を求められた今こそ張り切り時じゃないか!
そう思うから私は今、自分の実践を通じてオンラインとオフラインの融合を追求している。たとえば前回(編集部注;連載vol.45)言及した「サトカメエキサイティング ウェビナー」だ。予定通り7月28日にやって、「これは鍛えられるぞ!」と思った。主に会場のお客さんに向けてやるのと主にオンラインのお客さんに向けてやるのとでは全然勝手が違う。会場に向けてやるときは当てにできる空気感が当てにできない。「これ、あれ」みたいな指示語が使えない。全部言葉で説明しなきゃいけない。しかも、それで参加者を惹きつけなきゃならない。疲れる。でも、すごく勉強になった。
そんなふうに自らもバージョンアップするべきなんだ。今回読んで自分もバージョンアップしたくなった人は声をかけてほしい。バッチリ教えるから、ヨロシク!
商業経営者のためのオンラインセミナー
ニッポン勝人塾ウエビナー テーマ「2020秋商戦を読み解く」
◼第44回サトカメエキサイティング
アーカイブ動画視聴 1名5000円
https://www.shop-satocame.com/smartphone/detail.html?id=000000003134&category_code=all_items&sort=order&page=1
■youtube佐藤勝人チャンネル
https://www.youtube.com/channel/UC4IpsvZJ6UlNcTRHPgjellw
■オンライン講演・オンラインセミナー依頼のお問合せは
nsatou@satocame.com
vol.46 中小企業経営者よ、来たる2023年に備えよ!
著者プロフィール
佐藤 勝人 Katsuhito Sato
サトーカメラ株式会社・代表取締役副社長/日本販売促進研究所・商業経営コンサルタント/想道美留(上海)有限公司・チーフコンサルタント/作新学院大学・客員教授/宇都宮メディアアーツ専門学校・特別講師
経 歴
1964年栃木県宇都宮市生まれ。1988年、兄弟とともに家業のカメラ店をカメラ専門チェーン店に業態転換させ、商圏をあえて栃木県内に絞ることにより、大手に負けない経営の差別化を図った。以来、「想い出をキレイに一生残すために」というコンセプトを追求し続けて県内に18店舗を展開。同時におちこぼれ社員たちを再生させる手腕にも評価が高まり、全国から経営者や幹部リーダーたちが同社を視察に訪れている。2015年からはキャノン中国とコンサルティング契約を結び、現場の人材育成の指導にあたる。主な著書に『売れない時代はチラシで売れ』『エキサイティングに売れ』(以上同文館出版)『日本でいちばん楽しそうな社員たち』(アスコム)『一点集中で中小店は必ず勝てる』(商業界)『断トツに勝つ人の地域一番化戦略』(商業界)など。新刊の『モノが売れない時代の「繁盛」のつくり方』(同文舘出版)が好評発売中。
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